ご挨拶

『日本人の心を豊かに・・・』

   私たち日本人はとても恵まれております。日本という国は、どちらかというと世界的にも先進的で、物は豊か、戦争や内紛もなく平和であります。また、想い合う方があれば自由に結婚することもでき、やりたい仕事があればそれに就くこともまた概ね自由です。「豊か」で「平和」で「自由」で、と見事に三拍子そろっております。

   その上、このこじんまりとした国土には自然の緑が豊かにあふれ、それゆえ山の幸にも恵まれておりますし、四方八方を海に囲まれている島国ですので、日本海や太平洋がもたらす海の幸にも恵まれております。更には、春夏秋冬、四季折々の趣(おもむき)があり、また日本人にはそれを繊細に感じ取る感性「侘び寂びの心」も備わっております。

   このように挙げればきりがないほど、日本、そして日本人はとても恵まれております。では、さぞかし、私たち日本人は「幸福(しあわせ)」なのだろうと思いますと、それがそうでもないわけで・・・(苦笑)。もちろん不幸(ふしあわせ)ということもないでしょうが、現代人は皆さん時間に追われ仕事(タスク)に追われ、忙しく一日一日を“
過ごして”おられます。その心には余裕(ゆとり)がなく、それゆえ思いやりや優しさに欠けてしまうことも少なくありません。

   
これはどういうことなのでしょうか。これほどまでに恵まれておりましても、人の心は豊かにならないものなのでしょうか。これは、社会環境(政治や経済、はたまた法律や倫理など)の問題などでもなく、ただただ根本的な「心の在り方」の問題なのだと思います(私はそう確信しております)。
 

   さて、この『瞑想スタジオそわか』は、日本の仏僧である私(入山文章)が心ばかりで運営しているスタジオ(道場)です。もちろん、お商売でやっている訳もございません。もともとは、
「ストレスフルな世の中を生き抜かなくてはならない現代(いま)の日本人に必要なのは、この“すこやかな瞑想”(マインドフルネス)にちがいない!」そのような想い(根拠なき確信)から、2017年9月に瞑想スタジオをひらきました。

   お陰様で、これまでに何百人もの方が、瞑想やマインドフルネスのために『そわか』にお見えになりました(本当に有り難いことです)。多くの皆さんとのご縁のなかで、
やはり最も大事な核心となる部分につきましては一ミリもブレることはございませんが、私自身少なからず大切なことを学ばせて頂いておりますお陰様で、『そわか』の瞑想レッスンは、日々刻々と深化(進化)しております。

   そのような中、レッスンを通じて身も心もほどけて笑顔になる方、拙僧との穏やかな対話を通じて涙を流されて心が楽になったと喜ばれる方、様々な心の問題を乗り越えてゆかれる方、そわかでの瞑想や法話(心のお話)が皆さんのお役に立っているのを実感する度、胸のうちに熱いものが込み上げ、この道に(「使命」とでもいいますような)非常な"遣り甲斐"を感じずにはいられません。

   目の前のお一人お一人に、丁寧にこの“確かなもの”をお伝えし(迷い悩んでおられるならばその心に寄り添いながら)、かけがえのない毎日で「今ここに生きている喜び」を味わって頂き、心本来の「平和」「活力(生命力)」を自覚して頂く、そして「心の豊かさ」を得て頂けたならそれ以上に望むこともございません。そのためだからこそ、私は日々精進できるのであり、それこそが拙僧の「仏道」なのでございます。
   
   つくづく思うことなのですが。お寺社会に属さない私のような者に、このような素晴らしい「道」が与えられておりますことは途轍もない幸運であり、ただただ「おかげさま」と手を合わせるしかありません。仏教には、『自燈明 法燈明』『報恩感謝』など(これは私が好きな言葉です)というような素晴らしい教えの言葉が沢山ございます。私はその精神をしっかりとこの心に馴染ませながら、ますますこの道を極め、少々偉そうではありますけれども、「衆生(しゅじょう)を済度(さいど)せん」と精進して参る所存です。 


   最後にもう一つ。私たち人類が目指すべきものの一つに「世界平和」というものがあるとすれば、それを実現するためにも先ずは“今ここ”からであろうと思います。一人でも多くの日本人が、その心の眼を開けて、今ここ眼前にありありと広がっている様々な「豊かさ」に目覚めて欲しいと願います。微力ながら、拙僧もその一助となれましたなら、やはりそれこそ本望です。
    合 掌
   

   瞑想スタジオそわか
   入山文章(ぶんしょう)
   
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